家族が治療を支えて

医者

誤診が起こりやすい病

病気は何でも良いイメージはないものですが、特に世間的に暗いイメージを持たれがちなのが精神病です。統合失調症や双極性障害の患者は妄想や幻覚を見ることがあるので、人に危害を加えるのではないかといった印象を持つ人も少なくありません。したがって、本人も家族も精神病でないかという気持ちに蓋をしたり、病気であることを周囲に悟られないよう隠したりするケースは珍しくありません。でも、治療が遅れれば遅れるだけ、普通の社会生活から遠のいていくことは知っておいてください。もし本人が受診を嫌がっても、家族が促してあげることが重要です。一般的に精神科の壁は高く、受診を渋ることは稀なことではありません。しかし、体を診る診療科を受診して「検査したが異常なし」といった診断が下されると、精神科での治療が益々遅れる原因になるため、注意が必要です。始めから精神科を受診するのが大切ですが、受診を強要することは避けます。心配している気持ちを伝えつつ、「調子が悪いのがなぜなのか医者に診断してもらおう」「この先生に診てもらえば良くなる」といった言葉をかけて、精神科の受診を促します。興奮状態にある場合は無理かもしれませんが、後になって受診する気持ちが起こることがあります。家族や医師への不信感に繋がるので、嘘を付いて医療機関へ連れて行くのはすべきでありません。せっかく受診までこぎつけたのに、医師が残念だと家族の苦労が報われませんし、本人も不信感を抱く可能性があります。そうならないために、家族はひと手間かけて医療機関のリサーチを行いたいところです。統合失調症に似た精神障害の一つに、社会不安障害があります。「他人が自分の悪口を言っているように感じる」などの妄想は統合失調症によくある症状ですが、社会不安障害でも現れる症状です。社会不安障害だった患者が統合失調症で処方される抗不安薬を服用したところ、副作用の影響で体調を崩して入院させられるというケースもありました。精神病の診断で避けて通れない問題が、誤診です。精神病は何であれ表に見えない症状であり、病気に明確な定義がないので、致し方ないことではあります。しかし、間違った病気と診断されてしまった場合、適切でない薬が投与され、病が治らないどころか悪化してしまう可能性はゼロではありません。症状が被る部分が多々ある精神病は問診だけでなく脳画像検査や脳機能検査、光機能画像検査なども実施している医療機関を受診すると、より精確な診断が期待できます。当然ながら症例数の多い医療機関の方がデータが蓄積されているので、誤診の可能性は低くなるでしょう。もし診断された病気が違うのではないかと感じたら、担当医に言ってみるのが大切です。医師は患者の不安を取り除き、症状を緩和、消滅させるのが仕事ですから、何でも相談できる医師でなければ問題と言えます。患者側も医師に言われた通りにするだけでなく、質問や相談などを積極的に口に出したいところです。医師に時間がなければ、看護師や精神保健福祉士など、他のスタッフに話をしてみるのも一つの方法です。セカンドオピニオンを他院に求める場合は、担当医に紹介状を書いてもらうと、その先の治療がスムーズに行われることが期待できます。